大雪渓と植物群落・白馬岳1日目
2020年8月11日~12日の2日間で、猿倉登山口から栂池自然公園まで白馬岳を縦走してきました。
たくさんの高山植物に出会うこと叶い、夢のような2日間を過ごせました。出会った植物を記録していこうと思います。
記録していこうと、思ったのですが、あれよあれよという間に2021年1月3日になってしまいました。正月三が日じゃあないですか。
標高2ⅿ程度の静岡の港町の実家で、標高3000ⅿ付近の高山帯の高山植物に思いを馳せるというものも、なかなか楽しいものです。
今年はコロナウイルスの影響で登山は色々気を使ったなあとか、来年はたくさん登れるといいなぁとか。
会いたい人も、会いたい植物もたくさんできた2020年でした。
猿倉登山口~大雪渓
登りだしは青空が広がっていました。
大雪渓がつくる地形、そして豊富な雪解け水による水環境のおかげでしょうか。開けた渓流沿いにはたくさんの花々が見ごろを迎えていました。
白馬尻小屋で一休みし、さあ大雪渓へと向かいします。天気が怪しくなってきました。午後から雨予報。降られないことを祈りつつ足を進めます。
大雪渓~
相変わらず写真がひどいですが、渓流沿いではおなじみのオオバミゾホオズキ。雪渓に沿うように点々と群落をつくっています。
人生初の雪渓歩きはおっかなびっくり。ここでスマホを落としたら成す術もなく下へ滑り落ちていくんだろうなぁなどと考えてました。この年は雪が少なかったようです。
雪渓終点・雪田植物群落
大雪渓をのらりくらりと攻略したら、その先に広がるのは…高山植物の楽園…!!
写真のチョイスが悪くて伝わりにくい…!
これが見たかった。といってもまだ入り口にすぎない。ここから山頂まで大規模な高山植物群落がずっと広がっている。ここで喜んで写真を撮っていたら日が暮れてしまう…とは解っているが、目についた植物はどんどん写真におさめていく。
外片に小角突起があるのがミヤマタンポポの違いらしいが、愚かなことに「タンポポだし、いいでしょ」と粗雑な写真を撮り、その同定形質を写真に収めそこねていた…。しかしミヤマタンポポとシロウマタンポポを特に区別しない説もあるらしい。
とはいってもシロウマと名のついている花。次はしっかり確認したい。
訂正:花柄が分岐するのはミヤマタンポポやシロウマタンポポの属するタンポポ属の形質とは異なり、舌状花数もまたタンポポ属として少なすぎる。コウゾリナ属のカンチコウゾリナか、ヤナギタンポポ属のミヤマコウゾリナではないか?と教えてもらいました。
誤同定のご指摘大変ありがたいです...!
シロウマオウギいっぱいあるじゃん!と大喜びで写真に撮ったのが思い出深い。
人生は非情であり、写真に残っているすべてイワオウギであった。シロウマオウギは萼に黒い毛があるはずなのだ。こういうことはよくある。
少なくしていきたい。
やけに色が濃いから、アサマフウロか?と思ったのですが、”基部に白い密毛が生える”という特徴がないので、ハクサンフウロの色が濃い個体と認識しました。
ハクサンフウロの変種であるイブキフウロ(花弁先端に軽く切れ込みがはいる)も目撃してる気がしたのですが、写真には残っておらず…。でもまあ変種ですしね(怒られそうな発言)
ハクサンフウロは花弁の形や色の濃淡が個体によってさまざまで、3・4種類いるような錯覚をしてしまいます。表情豊かでいい花です。
これはシソシソしてる。
ナデナデしてる。
ネギネギしてる。
だいぶ標高をあげてきました。そろそろ山頂手前の山小屋です。
白馬岳から帰ってきて知ったのですが、白馬岳には”タカネトリカブト” ""ヤチトリカブト" "ハクバブシ"の三種が存在し得るようだ。それを区別するための詳細な写真(特に雄しべ)が撮れていないので、”トリカブト属”までの同定にとどめる。
事前に同定形質を知っていれば…。というのは生き物屋あるあるなんだろうか。
同定形質はきっちり暗記・記録しよう。と今回の登山で痛感しました。
なぜかこの花の名前が覚えられなくて、オショロコマと呼んでしまうのは何故だろう。
足裏腱鞘炎と戦いつつ、なんとかテン場までこれました。
テント場の周囲はハクサンイチゲが群生していました。(群生の様子の写真がなぜかない)
隙間からクロユリも顔を出しています。
高山植物に囲まれて、おやすみなさい。